大根のイラスト

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おおい待ってくれい。
俺がゆく登山道のはるか背中の方、そこにいる大根の声が聞こえてきた。
立ち止まって、振り返る。
遠くに、体を汚しながらぴょこぴょこ跳ねる大根が見えた。
「おっそいなぁ」
言わんこっちゃない。そんな感じで、聞こえるように言ってやる。
それに対して大根は、いやぁ、だって、こりゃ、大根にはきつい、と跳躍に合わせて喘ぎ喘ぎ。ときどき止まっては全身で呼吸を整えている。
そして、一倍長い休憩を始めたと思ったら、決心したように跳び、着地に失敗して転んだ。
溜め込んだ空気をもれなく吐き出したようなマヌケな声がこっちまで届き、ついつい笑ってしまう。
「しっかりせいよ。お前は」
声をかけながら救出に向かい、手で土を払い、背中におぶってやる。汗で水分が抜けたのか、体はいつもよりだいぶ軽い。
いやあ助かるたすかる。
俺の背中で、ホッとしたように大根がそうつぶやいた。
「次またややこしいことしたら降ろしたるからな」
貸しができた分すこし悪態を混ぜてズリ落ちかけた大根をおぶり直す。
やー、それは勘弁勘弁。
大根の声が耳元で聞こえた。
すこし歩いて、そして、先に気づいて笑ったのは俺のほう。
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コメント

No title

全然関係ないけど、ど根性大根ってあったよね。

  • 2017/01/26 (Thu) 00:58
  • #-
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No title

俺も変なところに生えたらチヤホヤされるかな

  • 2017/01/26 (Thu) 19:46
  • モンスタ #-
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